米国インフレと為替(2022年秋の金融グローバル環境)
注目されていた8月の消費者物価指数(CPI)が、アメリカ労働省から9月13日に発表されました。
上昇率は前年同月比+8.3%で、高止まりしています。平均時給も32.36ドルと過去最高を更新しました。FRBは、6月と7月のFOMCで2回連続で0.75%の大幅利上げでFFレートを上げましたが、意外なほどインフレに効いていません。
米国債は、2年物3.769%、10年物3.428%まで売られた上で、逆イールドカーブ付きです。9月のFOMCでも0.75%利上げの可能性が上がりまくっています。雇用が強すぎで実質金利マイナスですから躊躇しないでしょうし、パウエル議長は8月26日のジャクソンホール講演から市場とコンセンサスを取ってきたのですから、利上げ幅縮小するにも理由が必要です。
欧州は、エネルギー価格に引っ張られたコストプッシュインフレが8割で、さらに原油やガスの決済需要が米ドルに移行します。このようなインフレ&ユーロ安を、ECBの金融政策で止めるのは至難の技です。9月に1ユーロ=1ドルのパリティを突破しましたが、しばらく欧州から北米へのドル流入の流れは継続するでしょう。
ドル円は前回144円99銭で跳ね返りました。今回は9月20~21日のFOMC前後のタイミングで145円突破を狙ってくると思われますが、久しぶりに、ドル売り円買いの実弾介入があるかもしれません。やるなら不胎化介入の宣言付きでしょう(どっちみち、日銀はすでにステルステーパリングやってますから、言ったもん勝ちです。)
米国利上げと日本の為替介入、久しぶりの介入も黒田総裁の手法は上手!
大方の予定通り、21日の米国FOMCで0.75%の利上げとなり、FFレートは3.00~3.25%になりました。米国債2年物利回りが4%ちょっとなので、年内(11月と12月の2回のFOMC)…