即断即決は正義か?

「デキる人は即断即決を旨とする!」

コンサルの人が書くビジネス書で多様されるフレーズなのは、パッと見のウケが良いからでしょうか? 検討ばかりで決断できない人には有用かもしれませんが、誤解を招く書き方やデメリットも多いです。現実社会では、場合によって判断のタイミングを後ろ倒しにすることも有効なテクニックです。

・思考停止は即断即決では無い。
・即決が選択肢のロスを招く場合。
・判断材料が少なすぎる場合の不確実性。

スーパーの特売で「国産豚こま100g88円」で売っていたら、即断即決でカゴに入れる人が多数派でしょう。これは過去の買い物経験から、ほぼ底値だと強く推定できるので即断即決しています。パターン認識の一種で、ビジネスでも定例業務などで多様されている手法です。

相場トレーダーが、パソコン画面のデータを見て売買を繰り返すのもパターン認識の一種です。多く場合その場で理屈を考えるのではなく、事前に時間を使い考えてあるストーリーに当てはめ売り買い注文を出します。何が起こってるのか判断できないイレギュラーが発生した場合、事前に考えてあるロスカットルールを適用して一旦相場から離れます。

これが、外から見てる人には「即断即決に見える」だけです。

ビジネスで取引や投資をする場合「相見積もり」を取って比較検討した後に判断するのも一般的です。様々な条件が複雑に絡み合うケースでは、早い段階に選択してしまうと、その他の可能性を捨てることになる為、即断即決をせず多くの選択肢を最後まで持ち続けるのが有利な決断に結びつきやすいからです。スズキの鈴木修会長の勘ピューターも、無謀な冒険とイコールではありません。

シェークスピアはヴェニスの商人で「恋は盲目」と言っていますが、結婚を即断即決するのも(時々は見ますが)一般的ではありません。付き合って1ヶ月で相手を理解するのは無理に近いですし、まして付き合って1ヶ月のプロポーズで相手にOKされるかは?です。不確実性が高すぎるから、一般的な行動でないのです。

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