取引先がお金を払ってくれない!請求書の未払い・未入金になったとき、弁護士に相談する前にできること。
取引先がお金をなかなか支払ってくれないという状況になったとき、まず思いつくのが「弁護士に相談」だと思います。ネットを叩けば、「専門家である弁護士にご相談を!」的な文句であふれています。もちろん、弁護士に相談することで回収できる可能性は上がりますが、同時に金銭的なデメリットも発生します。
「弁護士に相談」はハードルが高い!
当社にご相談いただく方の多くが、「取引先が代金を支払ってくれないために自社の資金繰りが滞り始めて困っている」という内容が多く、弁護士に相談してさらに費用が発生するとなると余裕がないというパターンです。
弁護士に相談するとなると、次の費用が発生することが予想されます。(法律事務所によって多少異なります。)
- 着手金(先払い)
- 報奨金
- 郵便、印紙等の実費(「事務手数料」と表現する場合も)
- 出張費(裁判所が遠方の場合)
上記のほか、相談料としてタイムチャージ方式(1時間1万円等)をとる法律事務所もあります。
訴訟になった場合、訴訟費用は敗訴したほうが支払いますが、弁護士への依頼料は自分で支払うことになります。取引先に潤沢な資産があることが予想され、かつ自身に非がなく勝訴が見込まれる場合には意味がありますが、取引先に支払い能力がない場合には勝ったとしても満額回収できるとは限りません。100万円以上の回収がないと、弁護士費用で赤字になるケースもあります。
弁護士に相談する前にできること
特定記録郵便の送付
特定記録郵便とは、郵便局が郵便物を送付して相手が受け取った記録を残してくれるサービスです。郵便受けに投函されるため、受取拒否をすることができません。相手にとって、「そんな書類(督促状等)受け取っていない!」という言い訳がしづらくなります。入金を促す心理的効果としては、後述の「内容証明郵便」に比べると低めですが、内容証明郵便に比べると手間暇がかからず、コストも安くすみます。
▼日本郵便「特定記録郵便」
https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/tokutei_kiroku
内容証明郵便の送付
「内容証明郵便」とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便が証明する郵便サービスです。「特定記録郵便」と異なる点としては、「内容証明郵便」は、郵便受けではなく直接相手に送達されます。そのため、不在であれば一旦郵便局に戻され、7日以内に相手が受け取れなければ差出人に戻されます。
「特定記録郵便」も「内容証明郵便」も、送付の記録を残すという点では同じです。「特定記録郵便」では、文書の内容までは記録として残らないので、より強い証拠として残したいときは「内容証明郵便」、確実に相手に読んでほしい(郵便受けに投函してほしい)ときは「特定記録郵便」を出すなどと使い分けるのもよいでしょう。
内容証明には、窓口で手続きするものと、インターネット上で手続きするものの2つのパターンがありますが、手続き方法が違うだけで同じものです。
- 日本郵便「内容証明郵便」(窓口にて手続き)
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https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html
郵便局の窓口で1時間程度の時間と、1,500円程度の費用(内容証明文書の文字数や通数により異なる)がかかる。 - 電子内容証明「e内容証明」(インターネット上での手続き)
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https://www.post.japanpost.jp/service/enaiyo/index.html
窓口で手続きするよりも安価で送付でき、手間もかからない。Microsoft Wordにて文書を作成する必要がある。
未回収リスクを低減するためにできること
面倒でも契約書は締結しておこう!
個人事業主やフリーランス、特定の業界などでは契約書を締結しないことが慣例となっている場合も多いです。口約束でも売買は成立しますし、メールやLINEでも債権が存在することを証明できればいいですが、メールやLINEでの表現方法(文章内容)によっては、債権を証明するに足らないと判断されてしまうこともあります。「言った」「言わない」の水掛け論となることも多いので、契約書を締結しておくにこしたことはありません。
また、契約書には「反社条項」や「期限の利益喪失条項」も入れておいた方が無難です。クラウドサインなどの電子契約なら印紙を貼る必要もなく、紙の契約書に比べて作成負荷がかなり軽減されました。業界慣習による差が大きい領域ですが、契約書はこまめに巻く(締結する)習慣にしておきましょう。
まとめ
弁護士に依頼することで得られるメリットもたくさんありますが、コスト+手間暇>回収金額 になってしまったら意味がありません。債権金額や債務者(取引先)の支払い能力等の状況しだいで、やるべきことも変わってきます。「弁護士に依頼したほうがよいかどうか判断に迷っている」「何から手をつけていいのかわからない」「自分でなんとかしよう色々調べてみたものの、専門用語が多くよくわからない」等のお悩みがありましたら、当社へお気軽にご相談ください。
\ しつこい営業一切ナシ!/