Appleが、WWDC2023の基調講演で「AI」と言わなかった違和感

昨年のChat GPTの公開で多くの人が非常にビックリし驚きました。筆者も無料版では止まれずに、月20ドルのChat GPT4に課金してしまいました。コンピュータの分野を超えてサジェストされ続けていることもあり、少々加熱しすぎとは思います。

Chat GPTなどAIや人工知能への反応は、最もポジティブな人は「シンギュラリティ(人類の知能をAIが超える)は眉唾ではなかった!本当に来るのではないか?」といった見解です。反面、ネガティブなポジションの人は「あれだけ大騒ぎで売りまくったRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:PC上の事務作業を自動化するロボット技術)だって一過性っぽくデメリットも大きいじゃん。Chat GPTはRPAよりは凄いけど、所詮、早い者勝ちゲームしてるのでは?」といった所が本音でしょう。

さて、IT業界のスーパーインド人と言えば、Microsoftのサティア・ナデラとGoogleのサンダー・ピチャイの二人です。共に巨大IT企業のCEOで、近頃は二人とも「AI」が大好物! Microsoftの子会社がChat GPTの公開以降、GoogleもBardを公開しました。MicrosoftとGoogleがAIの分野でガチンコ対決する構図が、各種メディアを賑わせています。

ところがティム・クックのAppleは、少しスタンスが違うようです。https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2023/101/

日本時間6月6日午前2時から2時間にわたって開催されたAppleの今年の世界開発者会議(WWDC23)の基調講演は、深夜に生で見た人も少なくないでしょう。気になったのは、年に1度かつ現在のタイミングなのに、AppleはMachine Learning(機械学習)と言う言葉は使っても、AI(artificial intelligence)とは一度も言いませんでした。

Appleは流石に現金だけで246億8,700万ドル(約3兆4,500億円)も持ってる会社ですから、https://www.apple.com/newsroom/pdfs/FY23_Q2_Consolidated_Financial_Statements.pdf

人工知能の会社の買収も、ティム・クックは普通以上にやりまくっています。Appleやティム・クックがAIに興味無いとは考えるのは不合理でしょう。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_mergers_and_acquisitions_by_Apple

秋にリリースされる新しいOSの新機能も、Appleが言うMachine Learning(機械学習)を使いまくって動かしているのは想像に難くありません。

BRIDGE(ブリッジ)|「起業家と投...
AppleがWWDC 2023で発表したAI機能たち Appleは月曜日、同社の開発者向けカンファレンスWWDC 2023で、Mac、iPhone、iPad、App

そもそもChat GPTのような大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)を使ったAIは、『クセが強い』というかモデルの構造的な限界もあり、使いこなすのにコツが必要です。(否定文は使わない、明確に定義宣言する、etc) 巷では、Chat GPTなどAIに効果的な命令(=プロンプト)を書く、プロンプトエンジニアリングなどと言う分野もすでに出現しているぐらいです。プログラムのコード書きや要約や翻訳や判例検索などは、Chat GPT4のような大規模言語モデルに適切なプロンプトを与えれば得意分野で、現時点でも人間は敵いません。

GAFAMのうち、Facebookはメタバース(インターネット上の仮想空間)に未来を見ました。GoogleとMicrosoftは人工知能(AI)に未来を見ているようです。残るAmazonとAppleが見ている未来は、現時点では明確でありません。AIによるシンギュラリティが近い訳では無く、AIによる変化はこれからが大きく想像の上を行くのかもしれません。

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