混乱する略語やアルファベットのビジネス用語、23選を例文付きで解説!

人気のビジネス用語コラム第3弾!右も左もわからない新入社員から、こっそり検索しているベテラン社員まで、どうぞご参考ください。

目次

約束に関する用語

アポ

「アポイントメント」の略。取引先や商談相手との面談(最近はオンラインも含む)の約束を取り付けるときに使います。電話営業でアポを取ることを「テレアポ」といいます。

例文:「A社との商談だけど、来週の水曜か木曜あたりでアポ取っといてくれる?直行か直帰だと嬉しいな〜。」

リスケ

「リスケジュール」の略。一度約束した日程を組み直すときに使います。カジュアルな印象を持つ言葉なので、社外というよりは社内の印象ですが、最近は社外の会話でも聞くようになりましたので、ケースバイケースで使いましょう。

例文:「ごめん!明日のチーム会議だけど、A社との商談が入っちゃったから金曜にリスケしても大丈夫?」

マーケティング用語

BtoB /BtoC

B2B(BtoB)

「business-to-business」の略。企業間取引のこと。システム開発やプロモーションサービス、製造業における製造機器の販売等、顧客が一般消費者ではなく企業であること。

B2C(BtoC)

「business-to-customer」の略語で、企業と消費者間の取引のこと。スーパーやコンビニ、電車や飛行機、旅行会社、ファッション等、自分が消費者として利用するものは全てBtoCです。

例文:「この新たに開発する販売システムは、BtoC企業向けではなく、BtoB企業を想定しています。」

リード

見込み客のこと。マーケティング界隈の人が超多用する和製英語!英語だと見込客はpotential customer(ポテンシャル・カスタマー)、リード(Lead)はイギリス英語の犬の引紐ですから初見だと???ですよね。ビジネス用語としては、企業の商品やサービスを購入してくれる予想できる顧客のことを指します。何をもってリードとするかは業界や企業によって異なりますが、自社の商品やサービスを認知してくれていて、興味を持ってくれている状態をさします。

ちなみに似ている言葉で「リードナーチャリング」がありますが、これはマーケティング部門から営業部門にリードを引き渡す前に見込み客の購買意欲を高めることを指します。具体的にはメルマガやSNS、セミナーやイベント等を用いる手法が一般的です。

例文:「A社の営業代行サービスを利用すれば、リストのうち10%のリード獲得が見込めます。」

PR

public relations(パブリック・リレーションズ)の略。日本語にすると「広報」。「自己PR」という言葉から、PR=アピールだと思ってしまいがちですが、PRは広報の意味なので(厳密にいうと「広報」とも若干定義が異なりますが、ここでは詳細な説明は省略)、本来の使い方としてはただのアピールではありません。顧客だけではなく、メディアや投資家、取引先、金融機関など企業に関わる登場人物に広く信頼してもらい、企業や商品の価値を高めることを指します。(PR活動の例:プレスリリース、SNS、オウンドメディアetc.)

例文:新サービスの認知度を向上させるためにPR活動に力を入れる。

ハロー効果

一部の印象で全体の評価をしてしまうこと。「認知バイアス(先入観や経験等で非合理的な判断をしてしまう心理現象)」の一種。ちなみにハロー(halo)は天使の輪っかのことで、「後光効果」とも呼んだりする。ハロー効果にはポジティブなものとネガティブなものがあり、芸能人にスキャンダルが発覚してCMが降板させられたりするのは、「ネガティブ・ハロー効果」にならないように企業側が判断した結果。

ハロー効果の事例:
・人気のアイドルを広告に起用すると商品が売れる。
・見た目が整っていて話し方や声も落ち着いていて、なんだか仕事ができそう。
・街のケーキ屋に「◯◯テレビで紹介されました!」のPOPが貼ってある→美味しいに違いない!

バンドワゴン効果

多くの人が消費しているものを、自分もほしい!と思う心理のこと。「バンドワゴン」とは、パレードの先頭をゆく楽隊車のことで、勝ち馬に乗る、時流に乗ることを「バンドワゴンに乗る」などと表現することもあります。「みんな持ってるよ?」や、「いま大人気です!」と言われて、流行に乗り遅れたくない!という気持ちを刺激する手法です。この手法は、和を大切にする日本人との親和性が特に高いと言われています。

バンドワゴン効果の事例:
・全米が泣いた!
・顧客満足度No,1!
・行列のできるラーメン店

フレーミング効果

同じ内容でも、表現の仕方、言い方で異なる印象を与える手法のこと。「90%の人が効果を実感しています!」といった表現を目にすることがありますが、「10%の人は効果を実感できませんでした」と表現することはまずないと思います。言っている事実は同じですが、どこに焦点を当てて表現するかで、受け止め方が変わります。フレーミング効果は心理学を利用したマーケティング手法として有名ですが、政治家やニュース、新聞でもよく使われています。印象操作されないように気をつけましょう。

フレーミング効果の事例:
・タウリン1g配合→「タウリン1000mg配合!」
・年収350万円→「高時給2000円〜!」
・手術後の死亡率5%→「手術後の生存率95%」

ザイオンス効果(単純接触効果)

特定の人や物に何度も接触することで好感度が高まっていくこと。心理学用語で、単純な接触頻度を増やすことが重要であり、接触時間や内容はさほど関係ありません。テレビCM、YouTube広告、中吊り広告、バナー広告、、知らず知らずのうちに何度も目にして、全く知らなかった商品も、「なんか知ってる」→「興味があるかも」→「好き」となる効果を狙っています。ただ、大量にメルマガを送るなどするとネガティブな印象を与えてしまうので注意。

ザイオンス効果の事例:
・テレビCMで何度も見たビールを無意識に買ってしまう。
・何度も足繁く通ってくる営業マンと仲良くなり契約してしまう。
・娘に付き合って韓流アイドルの動画を見ていたら、自分がハマってしまった。
・マメな男はモテる。

会計用語

粗利(あらり)

会計上は「売上総利益」と記載するが、社内での会話では「粗利」と言うのが一般的。上の図の通り、売上額から仕入額(原価)を引いた金額を指す。粗利で思うような利益が出ていない場合は、商品価値を高めたり、原価を落としたり、商品価格を上げたりという行動につながります。

例文:今期の粗利率は60%で目標を大きく達成した。
   (粗利率=売上総利益÷売上高)

経費(けいひ)

経常費用のこと。事業を行ううえで発生した費用を指す。一般の従業員がよく目にする経費は、出張旅費や交際費等があります。会計上は「販売費及び一般管理費(販管費)」と呼び、人件費や家賃、水道光熱費、広告宣伝費、その他事業運営に関わる経費がここに集約されます(厳密には「販売費」と「一般管理費」に分けて計上します)。販管費が多いと利益が減るので、コスト意識は常日頃から持っておきたいところです。

例文:それは経費で落とせません!

経常(けいつね)

経常利益(けいじょうりえき)のことを「ケイツネ」と呼んだりします。
「経常利益」=「営業利益」+「営業外収益」ー「営業外費用」で計算します。例えば、「本業が文具店だけど、所有している物件を貸し出していて、賃料が入ってくる」という場合、それは「営業外収益」となります。株式の売却損や支払い利息等は「営業外費用」にあたります。このあとに出てくる「特別損益」を含まないので、臨時の収入や費用に左右されず、「企業の稼ぐ力」がわかるとして、指標とする企業が多いです。

例文:上期のケイツネはわずかに未達でしたが、通期では達成する見通しです。

当期純利益

=当期利益=最終利益=純利益
言い方が違うだけで全く同じことを指す、PL(損益計算書)の一番下に記載されている利益項目。ケイツネからさらに「特別損益(資産の売却や不良債権の処理等、事業活動以外で臨時的に発生した損失や利益のこと)」や、法人税等の税金を差し引いたものが「当期純利益」です。ちなみに赤字であった場合は「当期純損失」という科目になります。「当期純利益」および「当期純損失」は、「特別損益」や税金の影響を大きく受けます。例えば臨時で不良債権を処理をすれば「特別損失」の割合が大きくなりますし、固定資産の売却益によって「特別利益」が含まれ、大きく黒字を達成しているかもしれません。いずれにしても、企業本来のもつ力ではありませんので、「当期純利益」だけをみて一喜一憂しないようにしましょう。

ちなみに、「特別損益」と「営業外損益」の違いは、臨時であるかどうかです。例えば、賃料の利益が出るのであれば、毎月継続的に収益が発生するため「営業外収益」となりますが、地震等の災害により一時的に発生した費用は「特別損失」となります。

例文:今期の当期純利益は株式売却損の影響で未達に終わった。

MoM(えむおーえむ)

month over month(前月比)の略。「M/M」などと表記することもある。あまり口語では使わず、決算資料などでよく見る表現。ちなみにYoYはyear over yearの略で「前年比」、QoQはquarter over quarterの略で「前四半期比」のことを指します。

IR(あいあーる)

Investor Relations(インベスター・リレーションズ)の略。株主や投資家向けの活動や情報発信のこと。例えば、決算情報をホームページ上で開示したり、決算説明会の実施などです。

例文:今期の決算が終了したので、ホームページにIR情報を公開した。

役職を指す用語

CEO

=chief executive officer(最高経営責任者)
要は社長です。アメリカの経営スタイルを真似て日本にもやってきました。「代表取締役」のように日本の会社法で規定されたものではなく、「社長」「部長」のように社内の呼称です。そのため、登記簿上は「代表取締役」で、名刺などで「代表取締役兼CEO」などという表現をすることがあります。会社が大きくなると、それだけ役職を用意せねばならぬので、CEO、COO、会長、社長、などと誰が代表権を持っているのやら・・?という肩書きが並ぶこともあります。

COO

=Chief Operating Officer(最高執行責任者)=実務のトップの役員
CEOが経営におけるトップなのに対し、COOは現場におけるトップの役割を担います。そのため、CEOとは並列ではなく、COOはCEOの経営方針に基づいて指示を受けるという上下関係があるのが一般的です。

CFO

=Chief Financial Officer(最高財務責任者)=財務のトップの役員
日本でいうところの財務部長や経理部長にあたります。会社にとって財務は重要な役割であり、CEOとともに代表権を持つ場合もあります。

PM

=project manager(プロジェクトマネージャー)=IT業界でよく使われる「プロジェクトの責任者」
プロジェクトの目的や方向性を定め、目標、スケジュール管理、予算管理、人員確保、進捗管理、品質管理等の責任者です。要件定義の段階でズレが生じると成果物やスケジュールに大きく影響が出るため、発注者から要望を聞き出すコミュニケーションスキルの高さも必要です。

人事評価の現場でよく聞かれる用語

定量(ていりょう)

物事を数値や数量に表すことができる要素のこと。例えば、「電話を150件かける」「経費15%削減」等が「定量的」と言えます。人事評価の場面でよく聞きますが、営業現場やマーケティングでもよく聞きます。数値で表すことができるので、誰が見てもわかりやすく、評価しやすい一方で、数字だけで判断されがちなデメリットもあります。高すぎる数値目標(ノルマ)を定めてしまい、プレッシャーになってしまうパターンもよくあります。

例文:目標設定はできるだけ定量的にしましょう。

定性(ていせい)

数値化できない要素のこと。例えば「ECサイトの利便性を向上した」「ブランドイメージの向上」等が「定性的」と言えます。数値で示すことができないので、評価者の主観に委ねられてしまいがちなので、評価をするには普段からのコミュニケーションが非常に重要です。

例文:業務の特性上、定性的な目標設定になりがちで、評価者へのアピールがむずかしい。

契約関係の用語

NDA(えぬでぃーえー)/CA(しーえー)

どちらも「秘密保持契約」のこと。「秘密保持契約書」とは、その名のとおり、第三者へ情報漏洩しないよう、「秘密を守ります!」と取引先等と締結する契約書のこと。

NDA

Non-disclosure agreementの略

CA

Confidentiality Agreementの略

例文:「当社のNDAを送付いたしますので、内容のご確認をお願いします。」

捺印(なついん)/押印(おういん)/電子署名

捺印

「署名捺印」の略。自筆による記名+印鑑を押すこと。

押印

「記名押印」の略。印刷された記名+印鑑を押すこと。または単純に印鑑を押すこと。

電子署名

紙の契約書ではなく、電子化した契約書における署名のこと。本人が署名したことや、改ざんされていないことを証明する暗号処理。「電子署名法」において、電子署名がある電子契約書は、紙の契約書と同等の有効性があると示されています。ちなみに、「電子印鑑」はWordやExcel等で簡単に作れるので、電子契約ではほぼ意味はありません。

電子署名>捺印>押印 の順番に「真正性」が強くなります。

まとめ

アルファベットやカタカナ、特定の業務で使われる言葉など、あまり触れる機会がないと「それなんだっけ…?」となりますよね。自分の知識は広げる一方で、相手に伝わる言葉選びを心がけたいものです。

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